お知らせ
アレルギー検査について(血液検査)2024年3月28日
3月~4月は卒業入学のシーズンです。
当院には岩出市や紀の川市以外にも和歌山市や橋本市などからもお越しになります。
幼稚園や保育所、小学校に入学/進級のこどもたち、おめでとう!
と、同時に一部の子どもたちにとって「嫌な」季節でもあります。
「先生、アレルギー検査をしてもらうように保育所に言われてきました」
と受診されるご家族があります。
大事なことは、「食べて何にも症状でないものは(臨床的には)食物アレルギーでないと考えてよい」ということです。
血液検査(IgEなど)の数字がいくらであろうと、食べて大丈夫なものは大丈夫です。
乳幼児期に多いアレルギーは、卵アレルギー、牛乳アレルギー、小麦アレルギーの3つです。
血液検査はあくまでも参考です。
食べ物を食べて、消化吸収されて、それから症状が出るかどうかが問題です。
血液検査は、消化吸収などのプロセスを加味していません。
最近、少しの血液で検査できるから、、、という理由で他のクリニックで簡易的な検査を受け、検査結果が悪いので、、と相談を受けることがあります。
41項目をまとめてあまり痛みを伴わず調べられるというのが「売り文句」ですが、アレルギーの診断については、よくない方法です。
先日も、検査すると「米(コメ)」に反応があり、普段食べているのですがどうしたらいいでしょうか?と他院からの検査結果を持ってこられた方がいました。
検査は、解釈して患者さんにお伝えするまでが医師の仕事です。アレルギーを専門とする施設でこの検査方法を診断確定のために使うことはありません。
不必要な除去は子どもの健康を妨げることになりますので、安易な検査はするべきではありません。
お子さんにとってその血液検査が必要なのかどうかは、一人ひとり違います。
家族環境や親御さんの心配や希望などによっても変わります。
当院の方針として、自分で意見をうまく伝えられないお子さんに不利益がでないようにすることを一番に考えています。
「血液検査ぐらい」と思う、保育所の先生もいらっしゃるようですが、押さえつけられて、わけもわからず痛い思いをさせられる子供たちの気持ちになってあげてほしいと思います。
必要があれば、適切な検査をします。必要がないと判断した場合は検査はしません。検査をせずとも給食の方針は立てられます。検査をしたら安心というわけでもありません。
血液検査の結果が0でも重度のアレルギー反応を起こすことはあります。100%安全を保障できる検査ではありません。
こどもの心に一生残るかもしれない恐怖はもちろんのこと、医療費もかかり、医療費が多くなると私たちの税金もあがります。
こだま小児科では、よくお話をきき、診察をし、そのこどもたちに最適な検査や治療を提案し、家族の人たちの意見もききながら一緒に考えていきたいと思います。
こだま小児科 院長