お知らせ
日本脳炎ワクチンは、 生後8か月からの接種にお勧め時期を変更します2020年12月11日
これからワクチンを始めるお子さんには、
日本脳炎ワクチンは生後8か月からの接種をおすすめします
(3歳以降での接種でもよいですが・・)
当院では
・生後8か月にB型肝炎の3回目を接種するときに同時に日本脳炎ワクチンの1回目を接種し、
・その1か月後に日本脳炎の2回目を接種することをおすすめします。
日本脳炎という病気は、発症してしまうと死亡率が20~40%もある怖い病気です。原因は、豚やイノシシなどの動物の血液中にいる日本脳炎ウイルスです。それらの動物の血を吸った蚊が人間を吸血すると、ウイルスが人間にうつります。発症してしまうと、発熱や意識障害などをきたして死亡することもあります。
今までは、3歳をすぎてからの予防接種を推奨してきましたが、2019年に和歌山で成人の日本脳炎患者さんが相次いで診断されており、和歌山にも日本脳炎ウイルスがいることは間違いありません。また、和歌山は、日常的に野生のイノシシをみることも稀ではなく、近くに養豚場がなくても、子供たちにウイルスを持った蚊が襲いかかるリスクがあるということです。
3歳未満の日本脳炎ウイルスは稀であるといわれていますが、実際には、0歳での発症例もあります。ワクチンを打つと75~90%は予防できますので、当院としては、今後は早めの接種をおすすめします。
日本小児科学会は生後6か月からの接種を推奨しています。
乳児期はワクチンスケジュールが複雑になりやすいので、
当院では
・生後8か月にB型肝炎の3回目を接種するときに同時に日本脳炎ワクチンの1回目を接種し、
・その1か月後に日本脳炎の2回目を接種することをおすすめします。
現在1歳以上のお子さんについては、3歳未満からの接種スケジュールをたてることもできますのでご相談ください。
もちろん、従来通り3歳から接種していただいてもよいですし、大きいお子さんはワクチンスケジュールがややこしくなるのでそのほうがよいかもしれません。
順調に同時接種した場合のワクチンスケジュールの例 は以下のようになります
- 1回目:生後2か月~ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタの4種類
- 2回目:生後3か月~ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタ・四種混合 の5種類
- 3回目:生後4か月~ヒブ・肺炎球菌・四種混合 の3種類
- 4回目:生後5か月~四種混合・BCG の2種類
- 5回目:生後8か月~B型肝炎・日本脳炎1)の2種類
- 6回目:生後9か月~日本脳炎2) 1種類
- 7回目:生後1歳~ ヒブ・肺炎球菌・MR・水ぼうそう・(おたふくかぜ)の4(5)種類(おたふくかぜは任意接種ですが接種を推奨します)
- 8回目:生後1歳6か月~四種混合・水ぼうそう・日本脳炎追加) の3種類
- 9回目:年長さんの1年間~ MR・(おたふくかぜ)の1(2)種類
- 10回目:小学六年生~ 二種混合・日本脳炎2期) の2種類
小学六年生~ HPVも
参考文献1)日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について.2016年2月.
https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=197
「最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域**に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されます。」とあります。和歌山は、「最近日本脳炎患者が発生した地域」です。
参考文献2)和歌山県政ニュース 日本脳炎の予防のために蚊に注意!(令和元年10月18日)
http://wave.pref.wakayama.lg.jp/news/kensei/shiryo.php?sid=30170
「和歌山県において、9月以降日本脳炎患者が県内各地で連続して3人発生しました。
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスをもった蚊によって感染する中枢神経(脳や脊髄など)
の疾患です。蚊に刺されないように気をつけましょう。」
こだま小児科