お知らせ
これではアカンで! こどもの診療 ハマりやすい11のピットフォール 総合診療 2020年 3月号2020年3月29日
総合診療という総合診療医むけの雑誌で、小児科の特集を編集させていただきました。
子どもは何科の医者がみるべきなのでしょうか?専門科は小児科ということはご存じと思いますが、
鼻水が出ているので、、、親の受診ついでに、、、ということで別の科にかかることもあるかと思います。それはそれでよいと思っています。
私自身も、小児科医として研修を受ける前は、内科医・総合診療医でしたので、その立場で小児を診療していたときもありました。最近は総合診療医が小児の診療にあたることも増えているようです。
ただ、「小児科医」以外の医師は、子どもの診察の研修はごく短期間(数か月)しか受けていないか、まったく受けていないということを患者さんには知ったうえで選択されるのが良いと思います。
結論をいうと、「何科でもよいので、子どもをきちんとみることができる医者にかかるべき」です。
最近も小児科医としてはこれはどうかな・・と思う対応を受けた子どもさんをみました(いずれも禁止された検査や治療ではありませんが、適切かといわれるとそうでないのではないかと思います)。
・咳が続くという幼児に初診時に胸部CTを撮影したケース・・・患者さんとしては「よく検査してもらった」ということだったみたいですが、CT検査は放射能被ばく量が胸部レントゲンよりかなり多く、私たち小児科医は、よほどでない限りCTを撮りませんし、撮るときはきちんとそのリスクよりメリットが上回ることを説明します。
・同じく咳がでる0歳児に10種類の薬が処方されていたケース・・・子どもの「風邪」には薬は効きません。本当は無処方でいいのです。したがって、「風邪ですね」といわれたのに4種類も5種類も処方があるのは明らかな間違いです。たくさん薬を飲むにはそれぞれ「理由」が説明なのです。副作用のリスクも大きいです。風邪には薬が少ない医者が良い医者です。
逆に小児科から耳鼻科や皮膚科・内科の先生にお願いしないといけないこともありますので、誰がいいというより、得意分野/専門分野が違う。ということです。確かに、小児科は込み合っていて待ち時間が長いこともしばしばですが、、、
・0歳児の様々な症状や予防接種
・子どもの発熱、特に風邪じゃなさそうなとき
・子どもの咳が強い
・子どもの腹痛
などのときは他の科に受診した後でもいいので、小児科医にもご相談ください。大事なことは子どもさんの健康が守られることです。
という、言いにくい本音を、やんわりと編集したのがこの本です。医療者向けの本です。
より良い小児医療のために私自身もっと勉強してうまくならないといけないと日々、勉強をしながら診療しています。
こだま小児科 院長