こだま小児科

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お知らせ

「咳止め」「鼻水止め」について2017年10月11日

風邪の季節になりました。

空気が乾燥し、気温が下がって鼻水や咳が多い風邪が流行ってきます

お医者さんが「風邪ですね」と言ったら、鼻水止め+咳止め+痰切りが処方されるのが当たり前と思っていませんか?実は、その処方は間違いであると今はわかっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171008/k10011172211000.html

これはNHKでの放送内容ですが、「咳止め=鎮咳薬(ちんがいやく)」や「鼻水止め」は、重症化を予防するのに効果がないことがわかっています。

「咳嗽に関するガイドライン第2版(日本呼吸器学会,2012年発行)」にも、「中枢性鎮咳薬の使用はできる限り控える.」と記載されており、中枢性鎮咳薬投与は推奨D(行わないようにする)になっています。

2005年死亡した乳児から基準値を超える風邪薬の成分(pseudoephedrine, dextromethorphan,など鎮咳薬)を検出しました1)。これをうけて2008年アメリカでは、保護者に対して、2歳未満に市販の風邪薬(OTC薬)を飲ませないことを強く推奨し、4歳未満の市販薬が推奨されなくなりました2) 。日本でも2009年「2歳未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。」という注意喚起に加え、「15歳未満の小児全体に対して、服用させる場合には、保護者の指導監督の下に服用させること等、幅広く適正使用に関する情報提供を行うことが適当」と厚労省から提言されています3)

また、鼻水止め=抗ヒスタミンについては、熱性けいれんガイドラインでは、けいれんを起こしやすくなったり、熱性けいれんの時間が長くなったりする可能性があるため、「注意すべき薬剤」とされています。特に乳幼児にはお勧めできません。

そもそも、「咳止め」や「鼻水止め」は、風邪の咳や鼻水には効きません。

それでも処方されることが多いのは、「医師がこれらの薬の有害さを知らない」あるいは「知っていてもそれを説明することを怠っている」「患者さんの要望があるから、あるいはほかの医師も処方しているからなんとなく出している」ということだろうと思います。

子どもには不要な薬を飲ませない!特に、鼻水止め、咳止め、抗菌薬(抗生剤)に注意です。

 

1)Infant Deaths Associated with Cough and Cold Medications — Two States, 2005; MMRW Weekly January 12, 2007 / 56(01);1-4

2)An Important FDA Reminder for Parents: Do Not Give Infants Cough and Cold Products Designed for Older Children

3) 厚生労働省医薬食品局安全対策課:一般用医薬品(かぜ薬(内用)、鎮咳去痰薬(内用)、鼻炎用内服薬のうち、小児の用法を有する製剤)の小児への使用に関する注意喚起について.平成21年11月2日