こんなときには
熱性けいれんについて(7):けいれんが起こった時のダイアップ投与2016年4月23日
前回はけいれんが起こった時の自宅での経過観察の仕方についてお話しました。あわてず、安全な場所にそっと寝かせておいて観察してあげてください。それが最も重要です。
けいれん予防としてダイアップ坐薬を病院からもらっている人もいるかもしれません。
発熱をしたときにけいれんを起こさないように予防するためのダイアップの使い方はまた次回説明しますが、けいれんが起こった時にダイアップを使うのはどうなのでしょうか?
ガイドラインでは以下のようになっています
来院時に熱性けいれんが止まっている場合に、外来でルーチンにダイアップ坐薬を入れる必要はない
- ジアゼパム(ダイアップ)は同一発熱期間内での再発予防に効果が「ある」(2.1% vs 14.8%)という報告があり、一定の効果がある
- しかし、坐剤を入れなくても再発のみられない患者も多く、ダイアップ坐薬によるふらつきでの転倒、ダイアップ坐薬による眠気で髄膜炎や急性脳症の症状がマスクされる危険性などから全例にルーチンでダイアップ坐薬を使用する必要はないであろう。家族、地域の医療事情などを考慮して決める
ということです。
3分以上発作が止まらないときは、ダイアップをいれるという考え方もあると思います。
ケースバイケースということになりますが、ダイアップをいれてしまうと、病院で意識の状態の評価が難しくなります。ダイアップのせいで眠そうなのか、脳症という脳の病気のせいで反応が悪いのか見分けがつきにくくなるのです。熱性けいれんをみるとき我々医師が一番大事にするのは「意識の状態が普段通りであるか」ということです。
なので、できるだけダイアップはいれずに病院につれてきたいものです。ただし、いつもけいれんの持続時間が長いこどもさんなどは積極的にいれたほうがよいこともありますので、主治医の先生のアドバイスにしたがってください。あくまでも一人一人にあわせた医療が大事です
こだま小児科