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小児気管支喘息の診断(5):発症予測について2016年5月13日

前回は、乳児喘息(2歳までのぜいぜい)の定義について説明しました。

今回は、どんな子供が喘息になりやすいか?を研究したデータを紹介します。少し難しいかもしれませんが、実際のデータを使ってみましょう。ヒントになるはずです。

Evaluation of the Modified Asthma Predictive Index in High-Risk Preschool Children.The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice.Volume 1, Issue 2 , Pages 152-156, March 2013

の結果をもとに解説します。

この研究の対象者は、「両親のどちらかに、呼吸器系のアレルギーがあること(喘息か、吸入抗原に対する皮内反応陽性)」です。つまり、もともとアレルギー体質を遺伝的に持っている可能性があるこどもたちです。

実際、この研究の対象者の喘息発症率は30%で、日本の6~10%の約3~5倍です。まず、もともとリスクの高い子どもたちへの研究であるということを確認しておきたいと思います。

つまり、ご両親のどちらにもアレルギー体質がない場合は、喘息になる確率はこの研究結果より低いということになります。

予測するための項目は、

まず、1年間に2回あるいは4回以上の喘鳴(ぜいぜい)があるこどもたちです。

そのうえで、以下の大基準のうち1つあるいは小基準のうち2つを満たす場合に、予測スコアが陽性と判断します。

大基準のうち

  • 両親のどちらかに喘息の既往
  • 本人が医師によりアトピーと診断されている
  • 吸入抗原への感作(花粉、犬猫フケ、ダニ、ハウスダストに対する血液検査あるいは皮膚反応)

基準のうち

  • 食物アレルギー
  • 末梢好酸球4%以上
  • 風邪と関係ない喘鳴

このスコアをm-API(modified asthma predictive index)といいます

結果は、

mAPI結果

m2API結果

です。

この解釈はいくつもできるのですが、私が思うポイントは以下のようです

1年に4回以上ぜいぜいする子の場合

1.1歳時点で予測因子が陽性でも、小学生になった時に喘息になる確率は低い(通常群で40%、ハイリスク群で70%前後、)

2.2歳時点で予測因子が陽性でもはずれが多い。

3.3歳時点の予測因子が陽性であれば将来の喘息の可能性は高い。(通常群でも70%、ハイリスク群で90%)

1年に2回~3回ぜいぜいする子の場合

1.両親にアレルギー体質がなければ、2歳時点で予測因子陽性でも、喘息になる確率は50%程度

いずれにせよ、100%喘息になるということは言えません。

経過を見ていく中で治療を選択することになります。

APIが陽性の場合は、喘息と同じ治療を続けながら、自然によくなればOKと考えていくことになります。

数字の解釈は難しいので、お子さんのことについては、個別でご相談ください

今回は信頼できる論文の結果について説明しました

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