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熱性けいれんについて(9):再発とてんかん発症について2016年4月27日

前回はダイアップ坐薬の使い方について説明しました。正しく使えるように主治医と相談してくださいね

熱性けいれんは再発することがあります。そして、「てんかんにならないですか?」と質問を受けることがあります

そのことについて説明していきます

再発については

  • 再発予測因子
    1)両親いずれかの熱性けいれん家族歴
    2)一歳未満の発症
    3)短時間の発熱ー発作間隔(概ね1時間以内)
    4)発作時体温が39℃以下
  • 再発予測因子をもたない熱性けいれんの再発率は約15%
    全体では30%
  • 1)または2)があれば再発率50%

となっています。基本的には3人に1人が2回目の熱性けいれんを経験すると思ってください。

逆にいうと、3人に2人は熱性けいれんは1回きりということです。ダイアップを積極的に投与しなくていいというのはそういう理由もあるのです。どの子が再発しやすいかは、再発予測因子で判断します。

てんかんについては、

  • てんかん発症関連因子
    1)熱性けいれん発症前の神経学的異常
    2)両親・同胞におけるてんかん家族歴
    3)複雑型熱性けいれん
    のいずれもなければ、てんかん発症は1.0%(一般人口と同等)。
    2~3因子で10%
    4)短時間の発熱ー発作間隔(1時間以内)

です。てんかん自体は人口の1%に起こる、比較的よくある病気です。

熱性けいれんのこどもさんで、てんかん発症予測因子がある子どもさんでも、90%はてんんかんにならない。

のです。予測因子がない子どもさんは、99%てんかんにならないです。

脳波検査によっててんかん発症を予測することはできないといわれています。なので、熱性けいれんのこどもさんすべてに脳波検査をすることは推奨されていません。

怖がりすぎず正しく理解を深めたいですね

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